
50年の歴史を持つイタリア最大の美術画像アーカイブ、SCALA社(フィレンツェ)が総力を挙げたデジタル画像全集が、
イタリア語・フランス語・英語・日本語の4カ国語編集で世界同時発売される。
1,200年代後半から1,600年代初期にかけて、広くルネサンスとよばれる時代に活躍した
506名の作家の主要作品を網羅する画像データ約8,000点を、最大10,000×7,500ピクセル(ハイビジョンの20倍以上)の超高解像度で再現。
ヴァティカン美術館ディレクター(元フィレンツェ美術館連合総局長)
アントニオ・パオルッチによる、渾身のイタリア・ルネサンス絵画史解説を収録。
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まるで目の前にあるような迫力。 細部のディテールや筆タッチまで見える マゾリーノの代表作とされる、フィレンツェ、ウフィツィ美術館所蔵の「聖母子、聖アンナ、5人の天使」、美術史家ロベルト・ロンギはその右肩の天使を若きマザッチョの作と断定した。 拡大されたデジタル画像から、左右の天使を描いた二つの異なる手を認めることが出来る。右の天使からは、流れる髪や一瞬の光のきらめきをとらえたマザッチョの力強いタッチを読み取ることが出来る。ロンギが指摘したとおり、この一枚の絵の中に、絵画の質的な転換、すなわちルネサンス絵画への飛躍を読み取ることが出来る。 |
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最新のテクノロジーによる 絵画鑑賞・研究の「新しい扉」 歳月を経た絵画に刻み込まれた亀裂(クラッキング)から、絵画の保存状態だけでなく、描かれたときの技法まで読み解くことが出来る。 レオナルド・ダ・ビンチの「モナリザ」(パリ、ルーブル美術館所蔵)とフィリッポ・リッピの「聖母子と二人の天使」(フィレンツェ、ウフィツィ美術館所蔵)を比べてみる。 それぞれの画像の最も精密に描き込まれている部分を拡大して比較する。リッピの「聖母」の眉間から額にかけては比較的深い亀裂がほぼ横方向に走っている。ここでは、経年変化による塗装面の収縮が深部から表面まで一様に進行しており、修復の必要性を強く感じさせる。一方、レオナルドの「モナリザ」のほほや額にも多くの亀裂が見られるが、こちらはより細かい亀裂が複雑に網の目状に走っている。当然、「モナリザ」にも経年変化による塗装面の収縮はあるが、リッピの「聖母」に見られるほどには深い亀裂を形成していない。 この違いはどこから来るのか。単純に保存状態の問題だけでなく、「モナリザ」の複雑な「クラッキング」の形状は絵画が描かれたときに何層にも塗装が積み重ねられていることを示している。そこには、光の効果を追求したレオナルドの「スフマート」の技法が確認できる。 |
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